日暮硯
堤清二 訳、解説 筆名 辻井喬
東京大学卒 西部流通グループ代表
1.筋書
江戸時代 信濃松代藩の家老【恩田木工】の藩財政改革の話
城主;真田幸弘(13歳) 天才的な才能が持った指導者
家老;恩田木工
城主と家老の鳥かごの話では、いくら立派な鳥かごを作っても、鳥は本来自由に大空を羽ばたくのであって、
その自由を奪ってよいものではない。
とのやり取りから、家老は、藩財政改革の方法を考えつく。
① 認識方法として、物事には常に正反対の2つの見方を成立させる本質がある。
人は悪と善を1枚のメダルの表と裏で持っている。
② そのどちらの本質にも自らを所属させず、その時、その情報のなかでどちらの面が表に出ることが、リアリティーを持つかを判断する立場に立つ事を選んでいた。
不可能な物は、不可能、どちらの見方が現実的か(実現可能)かを判断し実行)
③ これは相対主義というより、価値自由の原則
④ 物事は常に変化するもの。
⑤ ゆるしこそ、美学
3.恩田木工の改革の進め方
①農民から弁の立つものを求め、意見を述べさせる。
②目安箱のような護符を出すように、農民に求めた。
③集まった護符を封を切らずに、殿に差し出す。
このことを全ての武士に事前に分かるようにしておく。
④殿に武士達の行ったことが、全て明るみにでた。
⑤武士たちの行った事を、非難しない。
⑥自らも質素倹約に務める。
4.考え方
①こうは申すものの、それはみな理屈というものじゃ(論理一本の考え方)
②農民、武士たちに問題を投げかける。 納得したなら、その約束を守らせる。
③悪いことを働いた物でも、状況によって変わる。
・良い人間が使えば、良い面が出る。
・悪い上司につけば、どこまでも悪くなる。
5,現在の日本
・自分の行為は棚上げにして、相手を判断する、純粋病患者が多く見られる。
6.補足
①許しは美学
話は、分かるが何度も攻撃されたり、いじめられたりしても許すのは、ただのばかでは?
世の中にはどうしようも無い「悪」がいるのでは? すべて許すのか?
②自分が正しくても、相手に逃げ道を残しておく。
逆上されて、理不尽な攻撃をされる。
③日暮硯の考え方は、現在の【ブレーンストーミング】の考え方に似ているような気がする。